ノベル 「複葉の馭者(バーンストーマー)」 笹本祐一

 時は第一次世界大戦が終結してから2年後。 先の大戦の為に大量に調達された飛行機は戦争が終わった為に行き場を失いかなりの数が民間に払い下げられた。 同じく行き場を失ったパイロット達がそれらの飛行機を購入し、ある者は郵便飛行士、またある者は曲技飛行士等様々な商売を始める。 そしてこの物語の主人公ジョナサン・ウォーカー、通称”ジョニー”も同じく軍から払い下げられたソッピース・キャメルを使ってファルコン・フライング・フェリー、通称"FFF"(トリプルエフ)という運送会社を始めた。 これはそんな時代に生きた偉大でも華麗でもないヒコーキ野郎達の物語です。

 上記の説明で”ん? 何か聞き覚えがあるな”と思った方もいると思います。 実はこの作品は1991年にソノラマ文庫から刊行された「大西洋の亡霊」を改題の上、大幅に加筆、改稿した物。 イラストも広井てつお氏から「エリアル」等でお馴染みの鈴木雅久氏に変わってます。 とは言っても私は元の作品を読んでいないのでどんな風に変わったかは分からないんですが(^^;

 内容は二話構成で、それに”旧ソノラマ文庫版のあとがき”と”新版のためのあとがき”の2つのあとがきが入ります(笑)

 第一話「アフリカの重爆撃機」

 パリ~ロンドン間を一日で三往復するという激務を終えたジョニーを待っていたのはエジプトのカイロから子象と象使いを運ぶという依頼。 しかしいくら子供とはいえラクダ(キャメル)で象は運べません(笑) そこで以前の上官に掛け合いアフリカのソマリランドで着陸に失敗して脚を折り、修理部品が無い為に現地で保管されている重爆撃機ハンドレページO/400を修理し英国に持ち帰る事を条件に借りる約束を取り付ける。 果たしてジョニーは無事に期限までに子象と象使いをロンドンまで連れて来る事が出来るのか?

 第二話「大西洋の亡霊」

 この手の話の主人公らしくスケジュール帳が真っ白(笑)の彼の所に一人の女性新聞記者からの依頼が舞い込む。 内容は彼女を乗せて大西洋まで飛ぶ事。 実は彼女は豪華客船オリンピック号が航海の途中で鉄十字を付けた巨大飛行船に遭遇したという新聞記事を書いた張本人で、その内容の正しさを証明する為にその巨大飛行船の写真を撮りたいと言う。 果たして二人は謎の巨大飛行船を見つける事が出来るのか? てな訳でこの話では第一話で冒頭以外全く出番が無かったジョニーの愛機ソッピース・キャメルが大活躍?します。

 先にも書いた通り初出が91年と古い作品なんですが是非シリーズ化して欲しい作品ですね。 さてと、ちょっと密柑山を漁ってキャメルを探してくるか(笑)

複葉の馭者 バーンストーマー (ソノラマノベルス)【AA】

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この記事へのコメント

ドカ山
2007年11月25日 21:10
うははっ
実はソノラマ版をもってたりして(笑)
実はまだ読み終えてなかったり。
久しぶりに読んでみようかな。
躍人
2007年11月25日 21:11
こんばんは
私は91年のソノラマ文庫版しか知りません(まだ実家にあるはずです)。最近改訂版が出たんですかね?
もうすっかり忘れてますが、「アフリカの重爆撃機」は旧版にはなかったような…
シリーズ化につきましては、個人的には10年前に諦めました(笑
ゑびすどん
2007年11月25日 21:37
こんばんは
 私もソノラマ板を昔読みました。
 数年前に古本屋で探して再読した話をBlogに書いたような気もします^^

 「アフリカの重爆」は旧版にもありましたよ。
 なんか飛ぶまでの話がほとんどで、尻切れトンボな終わり方でしたが
あるば
2007年11月26日 07:23
 ドカ山さん、おはようございます。

 結構ソノラマ版を持ってる方は多いですね。 密林の書評によると今回の新版は第1話のディティールが大幅にアップしているとの事ですので読み比べてみるのも面白いかもしれませんね。
あるば
2007年11月26日 07:27
 躍人さん、おはようございます。

 そうですか、シリーズ化は10年前に諦めましたか(^^; とはいえ今回大幅に加筆、改稿された新版は今年の10月頃に発売になったようなのでまだ望みはあるかもしれませんよ(笑)
あるば
2007年11月26日 07:33
 ゑびすどん、おはようございます。

 「大西洋の亡霊は」ホントに読んでる人多いですね。 私は存在すら知らなかったですよ(苦笑)

 確かに「アフリカの重爆撃機」は飛ぶまでが長いんですが、私は特に気にならなかったんですよ。 もしかしたら新版はディティールが大幅に書き足されているからかもしれませんね。

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